西村 賢太「小銭をかぞえる」「どうで死ぬ身の一踊り」「廃疾かかえて」 ★★★★☆

小銭をかぞえる (文春文庫)

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)

廃疾かかえて (新潮文庫)

きっかけ=piyoから新たな本をたくさん借りたのだが、うっかり賢太から読み始めてしまう。

初、賢太もの。まず、なんだこの気持ち悪い表紙は。
そして、本を開けるが最後、すごい勢いでむさぼり読んでしまった。

3冊をこの順番に一気読みしたのだが、ほとんど同じ話なので、どれがどうという印象は薄く、すべて続いている印象。
ただ、一番おもしろかったのは「どうで死ぬ身の一踊り」だと思う。

最初は「もう二度と自分の人生には現れないであろう得難い女性」と思っている相手と、
ささいな行き違いがきっかけで自分の醜悪な本性が顔を出し、
自分のことは棚上げ方程式で勝手な言い分をまきちらし、子供じみた喧嘩になり、
最後は暴力に訴えて陰惨さを極め、取り返しがつかなくなるという定型が、
一話づつ違うエピソードで、これでもかこれでもかと出てくる。

大正期のマイナー作家藤澤淸造に異常な執着と金をつぎ込む様、
その盲目度は本人の言うとおり「キ印」そのもの。
二人の住む部屋には彼の墓標がガラスケースに鎮座しているという徹底ぶり。

そのキ印な一途さと嫉妬羨望まみれの醜悪さ、いかにも大正臭い文体(決して昭和臭い明るさはない)など、ページを繰る手を止まらせない、すごいエンタテインメントだ。

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  1. むさぼり読むほどお気に召してよかったですわ。
    個人的に、2011年に読んだ本の中で一番インパクトあったのが賢太です。
    そしてまだまだ目が離せません。

    • インパクトという点では間違いなく一番ですね~。
      すっかりハマってしまいましたよ。。。

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