近藤 誠「成人病の真実 (文春文庫)」 ★★★★☆

近藤 誠「成人病の真実 (文春文庫)」

きっかけ=piyoに借りて

続けて、近藤医師の著作を読む。

「生活習慣病」ではなくあえて「成人病」と題して、高血圧、高コレステロールは加齢による自然な老化現象の範囲であることが多く、薬を飲むことは副作用を招くだけ、なのになぜ当然のようにそれらが行われるかというと、証拠があるからではなく、「それが標準」だからであり、薬会社と医師・病院による談合の世界である、という告発。近藤医師の主張では、“成人病”という呼称を“生活習慣病”と変えたのもひとつのプロパガンダとなる。

医療事故を看護婦のせいにせず、無駄な検査・治療をやめよという提言(すばらしい)。
インフルエンザ脳症は薬害であるとの告発、このあたりは非常に納得。
だが、「インフルエンザ予防接種は有効だが有用ではない」「健診は受けなくてよい(百害あって一利なし論)」については、行きすぎた考えのように思う。

近藤氏は必ず「くじ引き検査による総死亡率」をほぼ唯一の指標として断罪するが、たとえば健診を受けた人が寿命が延びるか、という問いは、マスクをすれば寿命が延びるか、ということとほぼ同じであり、マスク群と非マスク群では総死亡率に差がないからマスクをしなくてよい、というような結論になることと同じ。
我々はそこまでの極論だけで判断せず、マスクかけてた方が風邪引きにくいよね、くらいの気持ちでマスクをする。
マスクをかけてもかけなくても寿命には関係ないという理由でマスクをしない人は、変わった人だと思う。

健診や予防接種、果てはガン手術や抗がん剤についても、非科学的・非論理的であっても「その方がいいよね」的な考え方でそれが「標準」となっている気がするし、おそらく百理はなくても「一理」はある。
エビデンスがないからといってすべてを否定はできない(近藤氏もその点は同じだ考えと思う)。

インフルエンザ予防接種を受けずにインフルエンザにかかれば、次から同じ型のインフルエンザにはかかりにくいよ、という話は、なるほどそれはそうであっても、やっぱり1回でもかかるのは避けたいから毎年受ける方がよいのでは、とは思うが、そのあたり判断が難しい。

いずれにしても、三十代後半以降の日本人にとって、本書は「がん治療総決算」と合わせて必読の書だと思う。
読んでどうするかは本人次第だが。

広告
  1. わたしはこの本を読んで、インフルエンザの予防接種をやめました(笑)
    まあ、受けた年にしっかり罹った経験のせいでもありますが。でもね、過去の経験上、一度かかるとその後数年(わたしの場合はだいたい5年)は発症しないし、やっぱり自然にできた抗体はすごいんじゃなかろうか。

    乳がんの抗がん剤については、がん細胞を攻撃するだけではなくて健康な細胞や臓器をどれだけ傷めつけるか身近で見ているだけに、近藤医師の考え方に非常に共感して読みました。わたしは使わない方でいこうと決めました。

    スジャータさんの言うとおり、読んでどうするかは本人次第ですな。

    • インフル予防接種やめましたか(笑)
      わたしも今年は迷いましたが、結局受けました。
      人生で一回もかかったことないんですよね、だから余計に怖くて(笑)

      改めて自分のレビューを読むと、なんだか批判ばかりのように見えてしまうのですが、90%は彼の言うとおりだろうと思っています。
      主張にエビデンスがないのは近藤医師も同じ(がんもどき理論にも確たるエビデンスはないですね)ですが、医療の世界は決して科学的ではない、というのは本当に目からウロコでした。

  1. トラックバックはまだありません。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。