小島 直記「福沢山脈(上)(下) (日経ビジネス人文庫)」 ★★★☆☆

小島 直記「福沢山脈(上) (日経ビジネス人文庫)」 (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 8-1)

小島 直記「福沢山脈(下) (日経ビジネス人文庫)」 (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 8-2)

きっかけ=日本近代史関連本を読みたいと思っていたところ、そのへん詳しいSくんにお借りできたのでさっそく。

明治初期の福沢門下生(つまり初期の慶応義塾卒業生)の群像ストーリー。
物語の中心となる朝吹英二の豪傑話、女にはだらしない一面(あーいやだ、奥さんかわいそう)、さらに女にだらしない下剋上の強欲男(伊藤博文・・・)、信じがたくプライドの高い文筆男(尾崎行雄)などなど、キャラクターの濃い男どもが出たり入ったり。
さらに全員の師である福沢諭吉の抜きんでた発想力と変人ぶりもすごい。

日本近代の政界経済界を立ち上げた男たちのリアルな姿が生き生きと描かれており、何の知識もない私でも楽しめた。
それにしても、明治を立ち上げた人たちとはどれほど高尚な方々かと思っていたら、とんでもない(笑)
薩長閥での利権争いや汚職は当たり前、政治に携わる人々は今では考えられない高級取りで毎晩芸者の膝枕。
公僕たる精神は微塵もない。妻は泣いて従うばかり。
あーこんな時代に生まれなくてヨカッタ。

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