福沢 諭吉 (著), 富田 正文 (編さん) 「新訂 福翁自伝 (岩波文庫)」 ★★★☆☆

福沢 諭吉 (著), 富田 正文 (編さん) 「新訂 福翁自伝 (岩波文庫)」

きっかけ=せっかくなので福沢の自伝も読んでおこうとネット購入。

福沢諭吉というとまずは「天は人の上に人をつくらず」ような高尚なイメージが先行するが、「人類皆平等」のような理想主義的思想家ではまるでない。
一言で表すなら「変わり者のワンマン先生」がぴったりのような。

自身の生い立ちにおいて、上士の下士に対する非人間的な扱いに「封建制度は親の敵」と斬って捨てており、自分は目下の者にもさん付けで丁寧に接したという挿話もあるが、逆に「朝鮮人」「車夫・町人」などを別人格とするような記述もあり、この時代の差別観の根深さもわかる。

福沢自身はとにかく嫌攘夷、嫌漢学で徹頭徹尾一貫しており、主義は開国、欧化一辺倒と非常にわかりやすい。
もちろん独立国家の確立と富国強兵を目指しており、日清戦争の結果にも涙して喜んでいる。

まあとにかく変わり者で周りを気にせず我が道を行くが面倒見もよい(でないと先生なんてやってられないだろう)、また余計な自尊心もないので威張らないが謙遜もしない。
自伝で出てくる挿話はどれも酒の席でのおもしろ自慢話という感じで、行間に俺様すげー感がビンビン出ているが、なぜか嫌みなく笑って読めてしまう。
この前に「福沢山脈」を読んでいるので門下生から見た福沢像との対比もおもしろい。

酒の席での自慢話が嫌いな人にはオススメしないが、一読すれば高尚な福沢諭吉像が変わり者のベンチャー起業家に見えてくること請け合い。

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