ニコルソン ベイカー (著), 岸本 佐知子 (翻訳) 「もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑)」 ★★☆☆☆

ニコルソン ベイカー (著), 岸本 佐知子 (翻訳) 「もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑)」

きっかけ=ちょっと笑いたい気分だったので、piyoからお借りした本からこちらをチョイス。

男性と女性の電話の会話だけで全編構成されている小説。しかもその二人の会話は「テレホンセックス」。
帯に「前代未聞!」って書いてます。本屋でこの帯を見たなら手に取ることはなかったと思いますが、piyoの書評で面白そうと思い、お借りしました。

短編というわけでもなく、まさかこの小説全編でやーらしいことばっかり話せるわけがないと思っていたら、やーらしいことばっかり話してました(笑)
まあいやらしいといっても電話での会話というのがミソで、結局は二人がいやらしい行為に及んでいるわけではなく、空想上の性ファンタジーなのです。
話はしょっちゅう脱線しまくり、昨日あったことを話している途中にいきなり空想の世界に飛んでいきます。

この、いきなり飛んでいくあたり、実は少々私の苦手分野です。
外国文学ってどうして、空想上のことが異常に具体的なんでしょう。
この小説なら、電話の相手の彼女は小さなアクセサリー店のセンスと腕のいい技術工で、ある日そこに食器洗浄機でうっかり傷をつけてしまった銀のスプーンを修理してもらいたいという男性客が来店する、という挿話が出てくるのですが、これがすべて電話相手の男性の空想物語で、“小さなアクセサリー店”すら実在しません。
赤毛のアンかい!と突っ込みたくなるのですが、こういう話の延長でエッチなあんなことやこんなことに発展してゆきます。

まあ本物のエロ小説ではないので、二人の電話での会話だけから成り立つ性ファンタジーの、あっちにいったりこっちにいったり、その阿吽の呼吸こそが妙味であり笑えるポイントでもあります。
でも、もともと外国文学のファンタジーものが苦手な私なので、星は少なめになってしまいました。

piyoの評では、この翻訳はお見事!らしいですよ。
英語がわかる人でないと妙訳に感動もできないものだな、とションボリ(当たり前か)。

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  1. まさにその、男が電話口でとっさに語ったアクセサリー店の挿話にうっとりしたわたしは変?
    さすが、幼少時から言葉で鍛えられているアメリカ男は違うわー、と感服しまくり。日本ではありえないじゃん。つか、日本人だったらキモいね。

    本気で笑いたいんだったら、訳者の岸本佐知子さんのエッセイがお勧めよ。電車の中で読んでて、笑いをこらえるのがそりゃもう大変でした。

    • あのアクセサリー店の話、結局わたしの印象に一番残ったということは、やっぱり私もドキドキしてしまったということなんだけど、それでも違和感が残るのは苦手分野だからだと思うんです。

      全然ジャンルは違うけど、ハリポタとかすぐ挫折したしね。ソフィーの世界も1ページも進めなかった。

      岸本さんのエッセイ、それは興味ありますね。piyo持ってたらまた貸してください(こればっか)。

      • わたしもいわゆる剣と魔法の物語には関心が薄い方だけど、スジャータさんほどファンタジーが苦手な人も珍しいんじゃ(笑)
        まあでも苦手な気持ちはわかる。わたしの場合、村上春樹氏の小説の特徴である過剰な(とわたしには思える)比喩についていけないんですけど、そんな感じかしら。

        外国文学の空想が異常に細かいという指摘は新鮮だった。昔から海外小説の方を好んで読んでいたからかな、それが普通だと思ってたけど、確かにそうだね!

        岸本さんのエッセイ、スジャータさんにどう読まれるのか楽しみっす。

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