タグ : カミュ

カミュ「ペスト (新潮文庫)」 ★★★☆☆

カミュ「ペスト (新潮文庫)」

きっかけ=piyoに借りて。

カミュの代表作。
徐々に凄惨さを深める風景描写、容赦ない災厄の中、変わる人、変わらない人、
病魔を受け入れる態度、誠実とはどういう態度か、
それは本当に人生において意味あることなのか(個人的な愛が本当は意味があるのでは)・・・

それぞれの生きざま、死にざまが冷静に丹念に描かれた大作。
2か月前の震災や原発事故のことを考えずしては読めない内容だった。
市外からの励ましや共感のメッセージに対して、あまりに遠すぎると主人公が嘆く場面があり、今回の震災を通じて私が感じていることと繋がる。
被災者に対して、我々には励ましたり共感する資格はないのではないだろうか。

主要人物である神父の最初の説教の場面で、よほどカミュはキリスト教会が嫌いなんだなと思っていたところ、その後の展開で神父はキリスト者たるべき選択をするが、結果としては無神論者のリウーと同じ行動や考えに結びついており、それがキリスト教無用論につながるという解説に納得。

カミュ「異邦人 (新潮文庫)」 ★★☆☆☆

カミュ「異邦人 (新潮文庫)」

きっかけ=piyoに借りて。

カミュの処女作。
内田氏の「ためらいの倫理学」で取り上げられたカミュの「第三の立場」について興味があったため読んでみた。
が、それを読み取るには私自身に実存主義やマルキシズムの知識がなさすぎた。

灼熱の海や太陽の映像的な描写が迫るものがあり、カミュの本作に対する野心的かつ緻密な真剣さが伝わってくる。
こういう古典は読んでおくと世界に対する理解が深まり、読んだ直後より後々に意味がわかることが多いので、寝かしておこう。